【英国ショック】5分でわかる英EU離脱の背景と世界的影響まとめ

投稿日:2016年6月26日 更新日:

英国EU離脱による危機

2016年6月23日 英国で国民投票が行われ「離脱(Leave) 51.9% 、残留48.1%」となり、EUから離脱するというという意思決定がなされ、全世界に衝撃が走りました。何故英国民は離脱という選択肢をとったのでしょうか?その背景と今後の世界的な影響をまとめました。

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EUとは?

そもそもEUとはなんなのでしょうか。

EUの始まり

EU(European Union:欧州連合)の始まりは1940年台に遡ります。

当時、第二次世界大戦が行われており、多くの国々が疲弊していました。戦争発端の一因とされるのが、地下資源である石炭や鉄鉱石。これらを共同管理して経済の垣根をなくして争いを無くしましょうということでECSC(European Coal and Steel Community : 欧州石炭鉄鋼共同体)が設立されました。当時ECSCに加盟していたのはベルギー、ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルク、オランダの6カ国です。

その後、それを元にEEC(欧州経済共同体)、EC(欧州諸共同体)を経て、現在のEUとなり、紛争が収まり経済的にも発展していきました。

ちなみに英国が加盟したのは1973年。ECの時代でしたが、当時の英国は経済不審から「英国病(イギリス病)」にかかっていると言われ、ヨーロッパ各国から「ヨーロッパの病人」と呼ばれていました。ECSCが設立されたことで経済発展していきましたので、各国を見ていたイギリスは、あの連合に加盟すれば経済不審から立ち直ることができるのでは?と考え当時のECに加盟することになりました。

 

EUであることのメリット

EUであることの大きなメリットは2つあります。「EU内の国へ輸出する場合に関税がかからないこと」と「国境の往来が自由(シェンゲン協定)」ということです。関税がないことで、自国の製品が他国へも簡単に輸出ができるようになりますし、人の往来が増えることで経済的活動が活発になります。ヨーロッパへ旅行したことがある方はパスポートがなくても他国へ行き来が手軽にできることに驚いたことと思います。

 

EUの規模

EU加盟国は現時点で28カ国、総人口は5億人。GDPは約16兆2000億ドル。EUの本部はベルギーのブリュッセルにあります。

 

EU内の通貨

EUの通貨といえばEUROですが、EU加盟国全てでEUROが使われているわけではなく、イギリスはポンドを使用しています。現在EUROを使用しているのはドイツやフランスなど19カ国になります。

 

 

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英国の背景

キャメロン首相の決断

以前からEUに残った方が利益があると英国 キャメロン首相は述べていましたが、党内にはEUから離脱したいという声が少なからずありました。そういった人々を自分の味方につけ、今後の政治活動を優位にしようと思った場合、一つの手段として「自分の意見は国民の総意であると示す」ことを考えたのだと思います。

「そんなにいうなら国民投票をしようじゃないか。私の言っていることが国民の意志と同じものだ」という結果が得られれば、キャメロン首相の求心力は高まることになります。そこで、キャメロン首相は国民投票を行うことを決めました。

 

英国民の不満

ただ、今回の国民投票はキャメロン首相の意志とは反した結果となってしまいました。世界中の多くの人も「英国は残留するだろう」と考えていたのにも関わらずどうして離脱するという決定を下したのでしょうか。

それは「雇用の喪失に対する危機感」や「福祉面での不満」が大きかったためのようです。上記にもありますように、人の往来が増えたことで他国の安い労働力がイギリスにも流れ込んできました。安い労働力により、雇用が脅かされ、またその家族が学校に行ったりすることで学校の不足など福祉の面でも不満が募る状況になっていきました。

加えて、EUに加入したことで支払わなければならない負担金が大きかったことも不満を増長させた原因と言われています。離脱派は1週間で3億5000万ポンドの負担金が払われているというメッセージを強く打ち出していました。「EUにお金を払っているくらいなら、我々英国民のためにお金を使うべきではないか」という論調に共感した人が多かったようです。

 

特に年配者や地方での離脱票が多かった

今回の結果で特徴的だったのは「若者より年配者の方が離脱票が多かった」ことと「都市部より地方の方が離脱票が多かった」という点です。

若者は生まれた時からEUに属していましたので、変化を好まなかったのだと思われます。一方で年配の方々はもともとEUに属していなかった時代を経験しており、自分たちだけでなんとかしてきたという自負があるのでしょう。大英帝国時代のこともあり、EUに依存せずとも英国は大丈夫だという判断です。

また、今回残留するという票が多かったのはロンドンとスコットランド、北アイルランドでそれ以外の投票区では、離脱派が優勢となりました。今回多くの知識人・財界人が結果を見誤ったのは都心部の一部の人たちの声を効きすぎていたからで、地方の声を拾いきれなかったことでした。

 

 

英国のEU離脱宣言に対する世界的な影響

キャメロン首相は残留派でしたが、今回の決定を受け辞任を表明しました。また、今回の結果に対しては世界規模での大きな動揺が走りました。

 

日経平均は過去最大級の下落

前日まで残留するとの思惑がありましたが、急遽離脱するとの報道により日経平均は過去最大級(史上8番目)の下げ幅1286円33銭安となり、為替相場もドルに対して円高になり、1日の幅として最大級である7円60銭の下落して一時的に98円をつけました

 

全世界の市場で2兆1000億ドルが失われた

開票結果を受けて真っ先に下落したのは、その時開いていた日本市場でしたが、その後各国の市場が開き、フランス8%、ドイツ6.8%、イタリア12.5%、アメリカ(ダウ)3.9%の下落と世界的な株安へと連鎖していきたった1日で2兆1000億ドルが失われました。

 

その他の国の離脱の可能性

今回の結果を受け、EU内の他国も離脱する可能性がでてきました。最近の同行としてポピュリズム(大衆迎合主義)が進行している傾向があります。今年はアメリカの大統領選挙も行われますが、共和党候補であるトランプ氏に人気が集まっているのもその一つといえます。間近ではオランダの自由党と、フランスのルペン党がEU離脱すべきだと述べています。他にもギリシャやスペインなどが緊縮政策が嫌だとしてEUから離脱したいいう意見が増えていることにも注目する必要がありそうです。

イギリスがEUから出て行くという意味で「Brexit = Britain + Exit」という言葉が使われてきましたが、他にも「Itexit」「Spexit」「Grexit」「Nexit」「Gerxit」「Frexit」という言葉が広まりつつあり、今後の動向から目が離せない状況です。

 

 

本当に英国はEUから離脱するのか?

今回の国民投票の結果を受け、離脱派はEUに対して離脱宣言を行うことになります。これが承認されれば2年後の2018年に英国はEUから離脱することが決定となります(承認されなくても離脱宣言を行って2年が経過すればEUから離脱することになります)。ただ、現時点でEUからの離脱が決定したわけではなく、「このままいったらEUから離脱しますよ」と言った段階です。ですので、まだEUから離脱しないという可能性もゼロではありません。それでも今回の国民投票の結果がありますので、そう簡単には覆すことができないという事情があります。

 

EUは厳しい対応

今回の国民投票結果を踏まえ、EUは英国に対して「すみやかにEU離脱宣言を行うように通達」しました。上でも述べていますように、通達してしまえば何を言おうが2年後にはEUから離脱することになります。離脱することで大きな損失として、英国の輸出の半分を占めるEUへの輸出が挙げられます。

EUから離脱することで、英国からの輸出品には関税がかけられるでしょう。そうすれば英国経済は打撃を受けてしまいます。それはまずいということで、今後英国とEUとの間で交渉が行われることになりますが、英国は優位な条件を引き出すために時間が欲しいので、離脱宣言を遅らせたいという意向があります。

しかしEUにしてみれば、他の国がEUから離脱するのは何としても避けたいので、毅然とした態度で英国への対応をすることになります。

 

日本への影響

離脱報道で日経平均や為替相場が大きな影響を受けましたが、実際私達の生活にはどんな影響が現れるのでしょうか。

輸入品は安くなるが、輸出企業は収益が悪化する

比較的安全な資産と言われる円が買われていますので、輸入品は安くなります。一方で、円高は輸出企業にとっては痛手となり、収益が悪化してしまいます。

 

年金運用がマイナスになる

私達が収めている年金の一部は株式に回されていますが、その株式市場が下落してしまっていますので運用損が生じてしまいます。

 

まとめ

今回の英国のEU離脱は世界的な影響を与えることになってしまいました。今後、英国がどのような交渉をするかによって違いますが、英国だけでなく世界的な景気は後退するだろうとの見方が大半を占めているようです。

 

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