木造住宅は地震に弱いのはウソ? 地震に関する大事な4つのこと

2018年4月23日

地震大国日本において、地震に対する備えはとても重要です。

その中でも特に大切なのが住宅です。自分の家が地震に強い家なのか? 弱い家なのか? 家やマンションを買う人が一度は頭を悩ませる問題だと思います。

「木造住宅は地震に弱い」という話を聞いたことがあると思いますが、はたして本当なのでしょうか?今回はそこのところを詳しく解説します。

耐震基準についての記事はこちら

 
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木造住宅は地震の揺れに弱い?

日本における住宅はおおまかに「木造」「鉄骨」「コンクリート」にわけられますが、結論から言えばどれでも数値上は耐震性能に差はありません

木造住宅の軽いから揺れにくい

実は構造的には木造住宅は、コンクリートなどに比べて揺れにくいのです。

その大きな理由が「軽さ」です。

木は同じ体積だったらコンクリートの3分の1以下の重さしかありません。地震による揺れは重さに大きく関係しますので、軽い木造住宅は実は揺れにくい構造なのです

軽いことが耐震性を高めることにつながりますので、屋根には重い従来の瓦よりは「軽い瓦」を使うようにしましょう

関東大震災ではレンガ造りの建物が倒壊した

関東大震災が起きるまでは、ヨーロッパの影響を受けてレンガ造りの建物が多く建っていました。

しかし、その多くが関東大震災では倒壊してしまい、以後レンガ造りの建物はめっきりみなくなってしまいます。レンガ造りは火災には強いですが、重く揺れに関しては弱いため、日本で建てるには不向きだったようです。

壁の量と配置が重要

木造住宅の耐震性能を大きく決める要因として「壁の量」と「壁の配置」があります。

基本的に壁の量が多い方が耐震性能があります

日本の気候は、湿度が多いため風通しを良くするために昔の木造住宅はあまり壁がありませんでした。こういった昔の木造住宅は地震に対しては弱かったのです。

しかし、現在は文明の利器エアコンがありますので、壁があっても部屋の中を快適にすることができるようになりました。実はエアコンの普及が、耐震性向上につながったのは興味深いことです。

また、壁の量が多くても配置が偏っていては意味がありません。適切な配置が必要になります。

木造住宅のポイント1

・建物が軽いので、実は揺れにくい
・倒壊を抑えるポイントは「壁の量」と「偏りのない配置」

木造住宅は「建てられた年」が重要

阪神淡路大震災では1981年以前の家が倒壊した

1995年の阪神淡路大震災では多くの死傷者がでましたが、その原因の7割が建物の倒壊によるものでした。しかし、意外に知られていませんが、倒壊した建物のほとんどが1981年以前に建てられたものでした。

1981年は建築基準法が大きく変わった年です。実は阪神淡路大震災では1981年以降に建てられたものはほとんど倒壊しなかったのです。その後、建築基準法は2000年、2005年、2006年にも改正されています。

建築基準法は、地震や事件が起きるたびに頻繁に改正される「生きた法律」といわれています。ですので、やはり新しい家ほど耐震性能は高いといえます。

ちなみに、阪神淡路大震災では「火災に対して強い素材が使われるようになったこと」「東京に比べると住宅が密集していなかった」ことで、火災による住宅被害は1割以下になっていました。(全壊数は10万棟で、火災による消失は7千棟)

市町村が費用を出してくれるかも

家の倒壊は、周りにも影響を与えますので市町村も耐震対策には積極的です。1981年以前に建てられた木造建築については、「無料の耐震診断」や「耐震対策の助成」などを行っていますので、当てはまる人はぜひ利用しましょう。

木造住宅のポイント2

・1981年以前に建てられたものは特に注意が必要
・1981年以前のものは、市町村によって無料耐震診断や耐震対策の補助がある

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木造住宅は火災に弱い

木はコンクリートに比べると燃えやすい素材です。ですので、木造住宅は火災には弱い建物といえます。

関東大震災では多くの木造住宅が焼けた

実際、1923年の関東大震災では、住宅の8割が火災で焼けたといわれています。多くの人が火災によって木造住宅を失いました。

その後、人口が増えたこともあって東京ではコンクリートのビルが並び立つようになります。

コンクリートだから安全というわけでもない

ところが、コンクリート造りだから安全かというとそういうわけでもありません。

木造とコンクリート造りの大きな違いは「燃え広がるスピード」です。小さな火事であれば、コンクリート造りの方が燃えるスピードが遅いので被害が少なくて済みます。

しかし、例えば住宅が集中している東京で一旦火事が起きてしまえば、広範囲にわたって火災が広がってしまいます。当然、火を消すのに時間がかかってしまうため、コンクリート造りも被害を免れないのです。

木造住宅のポイント3

・木造は燃えやすい素材なので、火が燃え広がりやすい
・大震災のような大規模火災の場合は、鉄筋・鉄骨関係なく被害を受ける可能性が高い

地盤が重要

地震対策をイメージする時には家ばかりに目を向けがちになってしまいますが、地盤が硬いか柔らかいかということはとても重要です。

東日本大震災では、東京ディズニーランド近くの浦安市で地震により液状化現象が起きました。液状化現象は、地震によって柔らかい地面が揺れて水が出てきたり家が傾いてしまうとても怖い現象です。

浦安市は埋立てているところも多く、地盤が柔らかかったために地震で家が傾いてしまうなどの被害が多く出てしまいました。

昔から「水の意味する地名(〜沢、〜池、〜海)の近くはやめておいた方がいい」といわれますが、これは液状化現象への忠告です。

自分の住んでいる地域、住もうとしている地域の地盤が硬いのか? 柔らかいのか? は国土地理院で調べることができますので、大切な住宅を建てる前には必ずチェックしておきましょう。

 

木造住宅のポイント4

・地震の被害は建物だけじゃなく、地盤が柔らかいと液状化現象で被害が出る
・家を建てる前に、地盤が硬いかどうかをチェック

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