98%のインスタントコーヒーからカビが検出。癌になる可能性も。

2016年5月8日

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コーヒー豆に生えるカビによる危機回避

私達が休憩の合間や食後などに飲んでいるコーヒーですが、そのコーヒーからカビ毒一種のオクラトキシンAが検出されたという報告がなされています。果たしてどの程度の影響があるのでしょうか。

※カビの基本と怖い病気

 
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コーヒーからカビ毒(オクラトキシンA)が検出された

日本での検出結果例1

東京都健康安全研究センターが行った調査「東京都におけるカビ毒に関する調査研究」によると、コーヒーからオクラトキシンAが検出されました

生コーヒー (10サンプル中2サンプルにて検出):0.51~0.81μg/kg
焙煎コーヒー(23サンプル中3サンプルにて検出):0.25~0.43μg/kg
即席コーヒー(7サンプル中5サンプルにて検出):0.16~1.1μg/kg
コーヒー飲料(5サンプル中に該当なし)

 

日本での検出結果例2

厚生労働省「食品中のオクラトキシンAの規格基準の設定について(案)」によると、平成16年~平成21年までにコーヒーからオクラトキシンAが検出された

生コーヒー豆 (21サンプル中 6サンプルにて検出):0.10~0.76μg/kg
焙煎コーヒー(84サンプル中 46サンプルにて検出):0.18~2.75μg/kg
インスタントコーヒー(126サンプル中 124サンプルにて検出):0.41~4.23μg/kg

なんと、インスタントコーヒーにおいては98%がOTAが検出されています

 

カビ毒(オクラトキシンA)について

オクラトキシンAとは

カビ毒(マイコトキシン)の1種で、国際がん研究機関(IARC)で「ヒトに対して発がん性の可能性がある」という区分がされており、「腎臓がん」「腎障害」の起因となると考えられています。

日本では基準値はありませんが、厳しいヨーロッパの規制において、コーヒー豆の中に含まれるオクラトキシンAは5μg/kg以下であることとされています。

 

 

オクラトキシンAってどのくらいで身体に影響があるの?

身体に影響がでる指標としてTDIというものがあります。このTDIとは「毎日一生涯摂取し続けても健康に悪影響を及ぼさないとされる量」のことで、オクラトキシンAの場合「発がん性以外の毒性:16ng/kg体重/日
」「発がん性:15ng/kg体重/日」と言われています。

体重が60kgの場合、15ng/kg/日 x 60kg = 900ng/日 = 0.9μg/日 になります。ですので、毎日0.9μg(1万分の9g)取っても身体に影響がありません。

参照元:「内閣府 食品安全委員会HP

 

コーヒーに換算すると何杯?

では、この0.9μgは、コーヒーに換算すると何杯くらいになるのでしょうか。

コーヒーは1杯、コーヒー豆を15gぐらい使用します。また、オクラトキシンは抽出によって1~2割は除去されると言われています。仮に、「ヨーロッパの規制値上限の5μg/kgのコーヒー豆」を使った場合、0.9μg / (5μg/kg x 0.015kg x 0.9) = 13杯 となります。一般的な感覚としては1日に13杯も飲む人はあまりいないかもしれませんが、コーヒー好きの人はもしかしたら摂取できてしまう量かもしれません。

しかし、その13杯という数字も毎日一生飲み続けても健康に悪影響を及ぼさない量ですので、過度に不安になることはないでしょう。

ちなみにインスタントコーヒーの場合は1回の使用量が2g程度ですので、0.9μg / (5μg/kg x 0.002kg ) = 90杯となります。

一方で、海外で行われた調査結果では基準値を超える10μg/kg以上のものも検出されたなんていう話もありますから、そういう意味では注意が必要かもしれません。

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カビ毒があるコーヒーを飲まないために

ハンドピックしていることが確認できる焙煎屋さんで購入する

カビてしまったコーヒーを飲まないためには、至極簡単なことで、「カビたコーヒー豆を除去したものを飲めばいい」ということに尽きます。ですので、ハンドピックなど、しっかり不適切な豆を除去しているお店から購入するようにしましょう。

 

ハンドピックとは

輸入されるコーヒー豆の中には色々な異物が混ざっています。カビた豆以外にも、虫が食った豆や未成熟な豆などがあり、中には小石やネジが入っていることもあります。

小石やネジを除去するのは当然ですが、欠点豆はコーヒーの味を落としてしまうため、味にこだわるコーヒー屋さんでは必ずと言っていいほどハンドピックをしています。

 

そもそも、ハンドピックをしていないお店は、味があまり良くありません。変に雑味やエグミがでやすいためです。

美味しく安全なコーヒーを飲もうと思うのであれば、少々高くてもハンドピックをしているお店で買うようにしましょう。

 

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