カビ・菌による危機回避
カビの基本でお伝えしたように、カビの繁殖には条件がありますので、これらの条件にならないようにする必要があります。
カビ抑制の基本項目
1. 湿度を70%以上にしない
2. 水たまりを作らない
3. 栄養分を遠ざける
これが大前提になります。湿度を高くしないためには定期的な換気が必要ですし、栄養分を遠ざけるためにはこまめな掃除が必要です。
カビ抑制の必須アイテム
エタノール
最近はCMなどでも、宣伝をするようになってきました。汚れを取るのに水拭きをするのは良いのですが、拭き残しがあるとカビに水分を与えてしまって余計増殖してしまいます。拭くものにもよりけりですが、エタノールを使っても大丈夫なものにはエタノールで拭くのが良いです。
※ただし、エタノール等のアルコールは塗料や樹脂を溶かしますので、ペンキが塗られている場所や樹脂製のものを拭くのには適していません。
漂白剤・重曹
「塩素系漂白剤」「酸素系漂白剤」がありますが、「塩素系漂白剤は殺菌」に、「酸素系漂白剤はこびりついた汚れを落とす」のに向いています。
塩素系漂白剤:次亜塩素酸(NaClO)等
非常に強力ですが、使えるものが限られています。毛・絹・ナイロン・アセテート・ポリウレタンには使えません。取り扱いを間違えると塩素ガスが発生しますので注意が必要。
酸素系漂白剤:過炭酸ナトリウム( Na2CO3·1.5H2O2)等
塩素系漂白剤より使用範囲が広くなりますが、毛・絹には使えません。
重曹:炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)
どれもアルカリ性を示しますが、
弱い : 炭酸水素ナトリウム<過炭酸ナトリウム<次亜塩素酸 :強い
という順番になります。
特定の場所のカビ発生対策
風呂場のカビ対策
お風呂場は湿気がたまりやすいのですが、それの加えて思いのほか髪の毛や垢などカビの栄養になるものが残っているものです。これらを洗い流してあげなければいけません。
また、意外かもしれませんがカビにとっては石鹸やシャンプーもご馳走になってしまいます。髪や体を洗った時に飛散する石鹸やシャンプーのかすが壁に付いたりするとそこで繁殖してしまいますので、バスタブだけでなく、お風呂を出る時は壁も洗い流すと良いでしょう。
そして、最も大事なことは水がどこに溜まっているのか?ということです。カビが生える場所を思い出してみましょう。タイルの目地であったり、パッキンの場所であったり、ほとんどが水が溜まっている場所にカビははえるのです。
お風呂場で湿度を100%近くにした状態で、霧吹きで水滴を作った状態で放っておいてどこにカビが生えたのか観察してみると、比較的大きな水滴でしか繁殖しなかったという実験データがあります。
換気扇を回して、湿度を下げるのはもちろんいいのですが、水滴が残らないように拭くことが一番の対策になるのです。
洗濯機のカビ対策
お風呂場と同様に湿気と栄養素がたくさんつまっている洗濯機。私達から見える部分はきれいでも洗濯機の裏側は想像を絶する状態になることも、、、。
そんな洗濯機をきれいにするのにおすすめなのが「酸素系漂白剤」です。
1. まず40~50℃のぬるま湯を洗濯機に入れます。
これは酵素の働きを最大限活かすためです。
2. ぬるま湯10リットルに対して100gの酸素系漂白剤を入れる。
50リットルだったら500gですね。
3. 「洗い」を10分間程度行う。
4. 6時間以上放置
5. 水が入った状態で普通の洗濯コースを1回。終わったら、もう1回普通の洗濯コースを回します。
これで洗濯槽にこびりついたカビがごっそり取れます。
ちなみに「酸素系漂白剤」はこびりついた汚れを落とすのに有効で、
「塩素系漂白剤」は殺菌をするのに向いています。徹底的にやりたい人は酸素系漂白剤のあとに塩素系漂白剤で更にきれいにするといいですね。
エアコンのカビ対策
薬局などで売っている「洗浄スプレー」がお手軽で良い気がしますが、いろいろ注意しなければならない点が多いのであまりおすすめしません。
・薬液を落としきれない
→薬液で汚れを落とすのですが、その後、水での洗浄が必須です。
食器を洗う時を思い出してください。洗剤できれいになりますが、水で洗わなかったら
べとべとになってしまうでしょう。
・電装系等がショートしてしまう
→エアコンの仕組みをよく理解している人なら大丈夫でしょうが、誤って基盤に薬液がついて
しまったら、修理代として余計にお金がかかってしまいます。
家庭でやるなら、掃除機でフィルタやフィンについた汚れを吸い取るの程度にしておいて、フィンの中にこびりついているカビはおとなしく専門業者に頼んだほうが良いです。
ちなみに私も洗浄スプレーをやりましたが、カビ臭さは取れず。専門業者は高いしなぁと思っていたのですが、いざやってもらったらカビ臭さが全くなくなりました。その時エアコンから出てきた水の黒いこと黒いこと、、、。思い出すだけでぞっとします。