5分でわかる鹿児島県で起きる地震発生の確率と被害予想について

2017年9月9日

鹿児島県民のあなた、鹿児島県で起きる地震の発生確率ってどれくらいか知っていますか?そして地震対策しっかりできていますか?

「いつ発生するか」はわからないけれど、「いつか起きる」ことだけは確実ですので、いざ地震が起きた時に困らないように早め早めに準備をすすめておきましょう。


 
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鹿児島県を揺らした過去の大きな地震

気象庁によると、統計1918年以来2023年までに鹿児島県を襲った震度5の地震は「22回」、震度6以上の地震は「1回」でした。

全国的に見てみると鹿児島県は大きな地震が「多い地域」と言えます。特に奄美大島などのような離島付近での地震が多いようです。本州に限っては全国的には平均的な発生回数と言えます。

発生日震央地名マグニチュード震度(震源地)震度(鹿児島県)
1926年7月4日詳細不明不明55
1927年10月18日天草灘M5.355
1928年6月3日薩摩半島西方沖M6.655
1970年1月1日奄美大島近海M6.155
1987年4月30日奄美大島近海M5.255
1995年10月19日奄美大島近海M6.755
1996年10月19日日向灘M6.95弱5弱
1997年3月26日鹿児島県薩摩地方M6.65強5強
2000年10月2日トカラ列島近海M5.35弱5弱
2001年12月9日奄美大島近海M6.05強5強
2008年7月8日沖縄本島近海M6.15弱5弱
2015年5月22日奄美大島近海M5.15弱5弱
2016年4月16日熊本県熊本地方M7.375弱
2016年9月26日沖縄本島近海M5.65弱5弱
2017年7月11日鹿児島湾M5.35強5強
2021年12月9日トカラ列島近海M6.15強5強
2023年5月13日トカラ列島近海M5.15弱5弱

下の図は、鹿児島県で震度5以上の地震が観測された際の震央の分布を表しています。

 

参照元「気象庁HP

過去の地震の被害

「1968年 日向灘の地震(M7.5」
全壊数:0棟
死者数:0人(負傷者:7人)

「1997年 鹿児島県北西部の地震(M6.6と6.4)」
全壊数:6棟
死者数:0人(負傷者74人)

参照元:「地震本部

鹿児島県を揺らす地震の発生確率

地震がいつ起きるのか? それが分かれば少しは対処ができるのですが、残念ながら現代の科学ではいつ地震が起きるのかを正確に予想することはできません

けれど、「海溝型地震」については、過去の発生履歴を見てみるとおおよその可能性が割り出されます。

 

30年以内に大きな地震が発生する確率

鹿児島県に関係する海溝型地震は南海トラフ地震(東海地震・東南海地震・南海地震)と日向灘および南西諸島海溝を震源とする地震です。地震調査研究推進本部によると、30年以内に地震が起きる確率は以下のように推定されています。

地震名(地域)予想マグニチュード30年以内の発生確率
南海トラフ8~970~80%
日向灘および
南西諸島海溝
周辺
6.7~7.440~80%

引用元「「全国地震動予測地図2022年版」(地震調査研究推進本部)

主要都市における大きな地震が発生する確率

別の記事で、主要都市について発生確率をまとめています。

参考日本の地震危険都市2022:予想外の結果

毎年政府(地震本部)から公表される地震の発生確率マップというものがあります。今回、全国の都道府県および40万人規模以上の市において、今後30年間のうちに震度6強以上の地震がくる確率をランキング形式にま ...

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地震被害の予想

南海トラフ地震の被害予想(内閣府)

内閣府がH24年に算出した南海トラフ地震が起きた際の鹿児島県の被害予想は以下の通りです。

鹿児島県の場合、液状化による全壊数が最も多くなっています。下にある揺れやすい地域にお住いの方は注意しましょう。

「南海トラフ地震(想定震度7)」

項目被害
全壊数揺れ:約110棟
津波:約1,200棟
液状化:約4,500棟
死者数建物倒壊:約10人
津波:約1,200人

引用元:内閣府「防災情報のページ」

 

南海トラフ地震の津波による被害

大きな地震の場合には津波の被害も考慮する必要があります。同じく内閣府が公表しているデータによると、西之表市には大きな津波が来る可能性がありますので、大きな揺れを感じたら「より遠いところ」ではなく「より高いところ」へすぐに避難してください。

ちなみに東日本大震災が起きた際、津波の大きな被害を受けた大船渡市で17mそして相馬で12m、の津波だと言われています。

西之表市     :8m
志布志市     :6m
薩摩川内市    :5m
枕崎市、指宿市、南さつま市、南九州市  :4m
鹿児島市、鹿屋市、霧島市、日置市 :3m
など

 

ゆれやすい地域

内閣府が公表している「ゆれやすさマップ」によれば、鹿児島湾や志布志湾の沿岸などが揺れやすい地域のようです。この地域にお住いの方は、揺れた時のために家具を固定するなどの対策をしておきましょう。

引用元「内閣府 防災情報のページ」

 

ハザードマップ

ハザードマップは、「どこの地域にどんな危険性がひそんでいるのかをマップ化したもの」になります。

震度が大きいところ、液状化現象が起きやすいところ、土砂災害が起きやすいところなど。自分が住んでいる場所の危険性については必ず一度は確かめておくべきでしょう。

国土交通省や各自治体がハザードマップを公開していますので、そちらを参考にしましょう。

国土交通省ハザードマップポータル

地震対策について

鹿児島県の地震保険加入率は73%

地震保険の加入率は2015年の段階で73%で、全国平均の61%を少し上回っています。鹿児島県民は地震に対して備えをしっかりしている県民性だと言えます。

ちなみに、東日本大震災で被害の大きかった宮城県の地震保険加入率が86%でした。まだ地震保険に加入していないという人は、地震保険について一度真剣に考えておきましょう。

知らない人は泣き寝入り! 地震保険の6つの落とし穴

 

耐震対策の助成制度を利用しよう

お住いの住宅が1981年(昭和56年)以前に建てられたものの場合には、注意が必要です。これは1981年に建築基準法の耐震設計が大幅に改定されたた めで、阪神・淡路大震災でも倒壊した多くが1981年以前に建てられたものでした

このため、各地方自治体では、減災・耐震対策に対して公的な助成(木造住宅の耐震診断や木造住宅の耐震工事など)をしていることが多いです。あなた、そして大切な家族の命を守るために積極的に利用しましょう。

鹿児島県での助成は以下のようなものです。(詳細は各市町村にお問い合わせください)

・耐震診断(助成割合:原則66% 補助金額上限:  100,000円)
・耐震改修(助成割合:原則50% 補助金額上限:1,000,000円)

 

南海トラフ地震の防災対策推進地域に指定

鹿児島県は以下の地域が南海トラフ地震に関して防災対策の推進地域に指定されています。

防災対策推進地域は、南海トラフ地震による被害を事前に軽減させるために対策することを推奨される地域のことです。

似たもので、「防災対策の強化地域」というものがありますが、この地域は大震災などが起きた際に非常事態宣言がなされると、新規に地震保険に加入できなってしまいます。

この強化地域に推進地域も適用した方がいいのではいう動きがあります。地震保険については真剣に考えておきましょう。

鹿児島市、鹿屋市、枕崎市、阿久根市、指宿市、西之表市、垂水市、摩川内市、日置市、曽於市、霧島市、いちき串木野市、南さつま市、志布志市、奄美市、南九州市、伊佐市、姶良市、鹿児島郡三島村、同郡十島村、薩摩郡さつま町、出水郡長島町、姶良郡湧水町、曽於郡大崎町、肝属郡東串良町、同郡錦江町、同郡南大隅町、同郡肝付町、熊毛郡中種子町、同郡南種子町、同郡屋久島町、大島郡大和村、同郡宇検村、同郡瀬戸内町、同郡龍郷町、同郡喜界町、同郡徳之島町、同郡天城町、同郡伊仙町、同郡和泊町、同郡知名町、同郡与論町

参考元:「内閣府 防災情報のページ 南海トラフ地震防災対策推進地域指定市町村一覧」

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