デマ・流言飛語からの危機回避
地震に関する記事まとめはこちらから
地震やテロが起きたりすると「これまで起きた地震・事故が起こった日にはあるの数字が隠されており、それと同じ数字が当てはまる□□月◇◇日は危険だ!」という噂が流れたりします。。
こういうことに不安を感じる人が少なからずいらっしゃいますので、今回はこの論理展開に信憑性があるのかについて検証を行いました。
結論から言ってしまえば、「なんの信憑性もありません」ので、心配する必要は全くありません。
特定の数字が含まれている日は危ないという論理展開
よく言われるのが「666」で、これと同じ意味の18(6+6+6)になる日が危ないというもの。
論理展開としては、次のような感じです。
東日本大震災:2011/3/11 → 2+0+1+1+3+11=18
阪神淡路大震災:1995/1/17 → 1+17 = 182つの地震には共通する数字「18」が隠れている。(たとえば)2016/1/8は「2+0+1+6+1+8=18」だから、地震が起きるかもしれない危ない日だ。
これだけ見ると、「もしかしたらそうなのかも、、、」と思ってしまう人がいるのは仕方ないかもしれません。
検証
1年間の間に数字を足して18になる日はどれくらいあるのか?
検証の第一歩として、2016年 1年間で上でいうところの「特定の数字」がどの程度あるのかを確かめます。ほとんどの場合、特定の数値を出すために足し算を使っていますが、計算の仕方がいくつかあるようです。
例 2015/11/25 とすると
2+0+1+5+1+1+2+5=17
11+2+5=18
1+1+2+5=9
11+25=36
計算の仕方を変えると同じ日付でも色々な数字が出てきます。この後下で述べますが、それだけ色々な数字がでてくれば、どれかは当てはまるだろうと思わずにはいられません。
さて、2016年のうちにこのように足して「18」が現れる日が何日あるのかというと、
なんと、51日もあります。
想像していたよりもかなりあるという印象です。1週間に1回は足したら18になる日があるということです。
もし、「18」になる日が危険だとすれば、毎週1回は危険がやってきてしまう計算になります。
特定の数字の分布
次に、日付の数字を足していった時に、どんな分布になるのかというと。こんな感じ。
2016年で一番多く現れる数字は「12」「13」「14」で53回出現しており、その他11~21は頻出しています。適当な日付を選んでも、足して12や13になるものが非常に多いことを示しています。
過去の地震や大きな事故が起きた日付の検証
それではこれまでに起きた大きな地震や世界的な事件の日付と、日付の合計数字を確認してみましょう。今回は21例を検証してみます。
宝永地震(1707/10/28 )、寛政地震(1793/02/17)、安政東海地震(1854/12/23)、安政南海地震(1854/12/24)、濃尾地震(1891/10/28)、明治三陸地震(1896/06/15)、阪神大震災(1905/06/17)、 関東大震災(1923/09/01)、昭和三陸地震(1933/03/03)、東南海地震(1944/12/07)、南海地震(1946/12/21)、チリ地震(1960/05/23)、阪神淡路大震災(1995/01/17)、同時テロ(2002/09/11)、 十勝沖地震(2003/09/26)、スマトラ沖地震(2004/06/04)、新潟県中越地震(2004/10/23)、リーマン・ショック(2008/09/15)、東日本大震災(2011/03/11)、熊本地震(2016/04/14)、熊本地震(2016/04/16)
それぞれどんな数字が現れるかというと、こんな感じです。
「18」という数字は4回出てきていますが、それよりも「10」「15」「17」の方が多く出現しています。それこそ18が当てはまるのは「東日本大震災」「阪神淡路大震災」「熊本地震」「安静南海地震」であって、他の地震には当てはまっていません。
加えて、そもそも1年間に「18」が現れる確率は14%あります。上記21例に照らし合わせてみても確率的に3回は出現するはずですので、ほぼ確率通りの結果といえ、「18」だから地震が起きるということは考えられません。
特定の数字に意味があるように見せることは簡単
このデータを逆手に取れば、特定の数字に意味があるように見せることはとても簡単です。出現している数値としては「15」が5回出ていて結構多いので、これを使ってみましょう。
同時テロ、リーマンショック、南海地震は足すと「15」という数字が現れます。だから15になる日は危ないんです。(例えば)2016年1月14日は1+14=15になるから要注意です。
みたいなことを簡単に言えてしまいます。この文章だけ切り取られれば「もしかしてそうかもしれない」と思ってしまうかもしれませんが、ただ単に、「15」になる重要そうな事件を、後から選んだだけで、15ということに何の意味もありません。
まとめ
地震やテロなどの時に広がる噂の典型として「○○が当てはまっているから、次は△△だ。」という論理展開がありますが、その多くは「合致するものを選んで、さも当たっているように見せかけているだけです。」
人は、挙げられた例だけをみて「おお、確かに当たっている。じゃあ△△日も危ないんだ」と思ってしまいがちですが、たった2,3例だけでは判断できないということを覚えておくと良いでしょう。
今回のこの検証を見ていただいて、少しでもあなたの不安が解消されれば何よりです。
「これを持っていた人がうらやましかった」 経験者が語る震災の時に本当に欲しかった備蓄品リスト