ズーノーシスによる危機回避
愛犬や愛猫とともに過ごす日々。とても素敵ですよね。最近はペットと過ごすことで人のストレス軽減にも役立つということでアニマルセラピーに多くの注目が集まっています。
ですので、ペットを飼われている方の中には一緒に布団に入ったり、愛情表現としてキスをしたりする人もいることでしょう。
でも待ってください!
ペットとのキスには思わぬ落とし穴があるのです!
ズーノーシスについて
ズーノーシスとは
ズーノーシスは人獣共通感染症、ペット感染症など呼ばれているもので、簡単にいえば「動物から人間へと移る感染症」のことをいいます。
人間しかかららない病気、犬しかかからない病気、猫しかかからない病気というものがありますが、共通で感染してしまう病気がいくつかあります。
「狂犬病」や「SARS」「鳥インフルエンザ」など、名前くらいは聞いたことが人も多いでしょう。
たとえペットが健康だったとしても、キスをすることで、人体に有害な病原体が侵入する可能性を考えたら、やはりキスはしないほうが良いのは明白です。
ズーノーシスの種類
危険度 | 病名 | 病原体 | 主な生息場所 | 人の症状 | 注意する点 |
---|---|---|---|---|---|
危険 | オウム病 | オウム病クラミジア | オウムやインコなどの糞 | 頭痛、咳、熱など風邪の症状に似ている。 重症化して肺炎になることもある | 噛まれて感染することがある |
危険 | エキノコックス症 | エキノコックス属条虫 | キツネや犬、ネズミなどの糞 | 感染して10年間は無症状 進行すると黄疸、肝機能障害などが現れる | キツネや野良犬などに触らない。 |
危険 | Q熱 | Q熱コクシエラ | 猫、犬、牛、羊の糞尿 | 発熱・頭痛・筋肉痛。 重症化すると心内膜炎になることもある | 胎盤や羊水にも含まれるため、出産時(特に死産や流産)は取り扱いに注意する。 |
危険 | 狂犬病 | 狂犬病ウイルス | 哺乳類 | 神経症状が現れ、昏睡し、死亡する。 発症した場合の致死率はほぼ100% | ワクチン接種を行う |
危険 | レプトスピラ症 | レプトスピラ | 犬、ネズミ等のげっ歯類の尿 | 発熱、出血、黄疸、腎障害等 | ワクチン接種を行う 乾燥に弱い菌のため、清潔にしておく |
注意 | カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症 | カプノサイトファーガ・カニモルサス | 犬、猫 | 発熱、だるさ、吐き気、腹痛。 重症化すると敗血症や髄膜炎 | かみ傷、引っかき傷に注意 |
注意 | カンピロバクター症 | カンピロバクター | 発熱や血便、胃腸炎。 | ||
注意 | トキソプラスマ症 | トキソプラズマ原虫 | 猫の糞 | 妊婦の場合には胎児が脳炎や脳水腫になることがある | |
注意 | 猫ひっかき病 | バルトネラ | 猫(特に子猫) | 発熱やだるさ | かみ傷、引っかき傷に注意 |
注意 | パスツレラ症 | パスツレラ・ムルトシダ | 犬や猫の口の中や爪 | 傷口が腫れる。 たまに気管支炎 | かみ傷、引っかき傷、キスに注意 |
注意 | 皮膚糸状菌症 | 犬、猫 | 脱毛。水泡、かゆみ | 感染動物の隔離 |
引用元:「環境省」
ズーノーシス対策
・ペットとキスしない
・口移しで餌を与えない
・一緒に寝ない
・ペットの爪を切っておく
・排泄物の処理は頻繁に行い、清潔にする