寄生虫による食中毒からの危機回避
最近は「寄生虫」という言葉自体聞かなくなってきましたが、今でも寄生虫による食中毒はなくなっていません。
寄生虫について
サルコシスティス
生肉は危険だと言われることが多いのですが、馬肉に関してはあまり聞いたことがない人が多いと思います。ただ、馬肉についてはサルコシスティスという寄生虫に気をつける必要があります。サルコシスティスは大きさが0.5~1mmくらいのもので、馬の筋肉に寄生しています。
症状は食べた後、数時間で「嘔吐」「下痢」「腹痛」などを起こします。
サルコシスティスは凍結に弱いため-20℃以下48時間以上凍結させることで予防することができます。
クドア・セプテンプンクタータ
ヒラメから見つかった比較的新しい寄生虫です。
症状は食べた後数時間で「下痢」「嘔吐」などがあります。場合によっては発熱・腹痛の症状が見られることも。
クドア・セプテンプンクタータは加熱と凍結により弱りますので、「75℃ 5分以上」もしくは「-20℃ 4時間以上」の処理が必要とされています。
国内養殖ヒラメのクドア感染率は0.4%。国内市場流通ヒラメの4分の1は輸入されており、輸入品についてはモニタリングを開始
引用元:「食品衛生研究所」
ただ、お刺身やお寿司で食べられることが多いため、これらの処理がやや避けられている傾向もあるようですが、国内養殖ヒラメは比較的安全ということでしょうか。輸入品は不明のようです。
参考:
アニサキス
鯨やイルカなど、海洋哺乳類の胃に寄生している2~3cmの線虫です。サバ、アジ、イワシなど多くの魚に寄生しています。
症状は食べた後、8時間程度で「激しい腹痛」があります。その他、嘔吐なども。通常は3週間程度で自然消失するようです。
アニサキスの幼虫は70℃以上ですぐに死にますが、凍結する場合には-20℃で24時間以上の処理が必要です。残念ながら、酸に対する耐性があり、酢でしめたシメサバでも死なないようです。
トキソプラズマ
豚・羊・やぎの生肉もしくは加熱が十分ではない肉を食べた時や、猫の糞便に含まれる寄生虫の経口摂取により食中毒になる可能性があります。
症状は頭痛や軽い発熱が多い。
対策としては加熱の場合は55℃ 5分以上もしくは凍結処理で中心部が-12℃にさせることが有効です。
参考元:「食品安全委員会」「神奈川県衛生研究所」「東京都福祉保健局」