食中毒の原因となる食べ物ランキング2017

2017年6月26日

食中毒の原因菌は「原因菌別 食中毒ランキング2018」でも紹介していますが、ノロウィルスが圧倒的1位を誇っています。

それでは食べ物としては何が食中毒の原因として多いのでしょうか?

厚労省の食中毒発生事例を元に、何が多いのかを確認してみることにしましょう。

食中毒になりやすい食べ物ランキング

厚労省が発表している「平成28年(2016年)食中毒発生事例」を元に、食中毒の原因となった素材と料理をランキングにしたところ以下のようになりました。

順位食中毒事件数食材食べ物例
1位525件不明(提供された食事)
2位73件鶏肉鶏刺し、鶏わさ、鶏レバー、鶏肉のタタキなど
3位37件牡蠣生ガキ、牡蠣ポン酢、カキ酢など
4位26件サバサバの刺し身シメサバ、サバの味噌煮など
5位23件ヒラメヒラメの刺し身、ヒラメの寿司、ヒラメのカルパッチョなど
6位16件ツキヨタケツキヨタケの味噌汁
 
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第1は原因不明

「食中毒になりやすい食べ物ランキング」としていますが、実は一番多いのは「不明(提供された食事)」です。その時に提供された食事が原因であることはわかっていても、その中のどれかという特定ができない場合がかなり多いようです。

これは調理者の手を介して食中毒菌が移ってしまう場合や、調理環境など移ってしまう場合です。この場合には、何を食べても食中毒になる可能性があるわけです。

 

食中毒になりやすい食材は鶏肉

実際に、食中毒の原因がわかった食材の中で、最も多かったのは鶏肉でした。

ただ、鶏肉とは言っても食中毒になった料理の例を見てみればわかりますが、基本的に火が通っていない状態のものがほとんどでした。火が通っていない鶏肉を食べる時は十分注意しましょう。

 

病因物質ごとの食中毒になりやすい食べ物

それでは、各病因物質毎にどんな食べ物が食中毒になりやすいのかも見てみることにしましょう。

ノロウィルス

2016年にノロウィルスが原因と特定できた食中毒事件は165件ありました。原因は以下のとおりです。

第1位 「不明(提供された食事)」 114件
第2位 「牡蠣」 33件
第3位 「寿司」 9件

ノロウィルスと言えば「牡蠣」を連想する人は多いと思いますが、最も多いのは「不明(提供された食事)」でした。

ノロウィルスの食中毒を防ぐためには、食材の調理の仕方(熱を通す)もありますが、調理者を介してであったり、食材を同じ調理器具で調理するなどの調理場の衛生管理などによってもウィルスが移ってしまうため、これらの管理がとても大事だということが言えます。

また、ノロウィルスはしぶといため、アルコール消毒では不十分なことがありますので、十分な注意が必要です。

カンピロバクター

カンピロバクターという菌が原因の食中毒は2016年に132件と、件数がかなり多く発生しました。患者総数は1700名を超えています。

第1位 「鶏料理」 61件
第2位 「不明(提供された食事)」 57件

カンピロバクターに関しては、鶏料理が圧倒しています。

 

ウェルシュ菌

ウェルシュ菌は大量に調理されて、室温で放冷された場合に起きやすい菌です。2016年にウェルシュ菌による食中毒事件は19件起きており、患者数は1000名を超えています。1件あたりの患者数が多くなりやすい食中毒です。

第1位 「煮物」 6件
第2位 「弁当」 5件

両方共に熱を加えた後、室温で放冷されることが多い食材ですので、作った料理は放置せず、粗熱をとって早めに冷蔵庫で保管するようにしましょう。

関連記事ウェルシュ菌による食中毒の症状や期間について

 

サルモネラ菌

サルモネラ菌が原因の食中毒事件は2016年に11件。食中毒の原因となった食べ物は様々で「親子丼」「サラダ」「イカ焼き」「弁当」などでした。

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寄生虫(アニサキス)

このところ、アニサキスが原因の食中毒が騒がれていますが、2016年にアニサキスが原因と思われる食中毒は90件ありました。

アニサキスによる食中毒の原因となった食材は以下の通りです。

第1位 サバ  33件
第2位 アジ  9件
第3位 サンマ 5件
第4位 いわし 4件

結果、アニサキスといえば「サバ」ということで3割以上がサバが原因でした。ついで、アジやサンマ、いわしなどの青魚が原因として挙がっています。

 

寄生虫(クドア)

寄生虫の中にはクドアというものもいますが、2016年ではクドアが原因の食中毒が21件起こっています。このうち20件がヒラメが原因ということで、「クドアといえば、ヒラメ」と言ってもいいような的中率になっています。ヒラメのお刺身を食べる際は注意しましょう。

食中毒を防ぐには?

食中毒を防ぐためには殺菌するしかありません。そして殺菌する方法は2つです。

・加熱殺菌
・薬品消毒

食べ物は加熱せよ

食べ物に食中毒菌がついていたとしても、その多くは加熱により殺菌されます。食べる際には火の通ったものを食べることで食中毒を防ぐことができます。

しかし、火を通しても食中毒になるものもあるので、万全ではありません。

感染拡大は薬品消毒で防ぐ

また、食中毒といっても感染源は食べ物だけではありません

「食中毒菌をもった人が触ったドアノブ」「くしゃみが飛んだ床」などにも菌が付着するので、そこを触った手で物を食べた時には、食中毒に感染してしまいます。

特に小さなお子さんがいるような家庭では、子供はいろんなところを触るので菌がつきやすくなってしまいます。

ドアノブや床を加熱して殺菌することはできませんので、そういう場所は薬品で消毒するしかありません。

糞便中には,通常は1週間程度,長い場合は1か月以上の長期間に渡ってウイルス粒子の排出が続きます。そのため,糞便中のウイルス粒子が手指に付着するとドアノブ等を汚染して,二次感染や集団感染の感染源となります。

引用元:「国立医薬品食品衛生研究所」

アルコールではなく次亜塩素酸を使って!

ノロウィルスなどはアルコールが効かないので、次亜塩素酸を使って消毒をしましょう。次亜塩素酸自体は、食品添加物にも使用されているものです。

ノロウイルスはアルコール等の一部の消毒薬では消毒できません。おう吐物など感染性のあるものを扱う際は、使い捨て手袋を利用し、ビニール袋などに密閉した上で、廃棄しましょう。消毒には次亜塩素酸ナトリウム (塩素系漂白剤)、熱湯が有効です。

引用元:「食品安全委員会HP」

次亜塩素酸を安く買うには

次亜塩素酸は楽天などネットで安く購入することができます。


出典:amazon
サライウォーター(次亜塩素酸水)

こんな方におすすめ

  • 小さなお子さんがいる家庭
  • ドアノブや床を消毒したことがない人

 

まとめ

毎年食中毒に苦しむ人は多いですが、食中毒になるものは、やはり「刺し身」や「寿司」などの様に火が通っていない物が上位を占めていました。素材別では火が通っていない鶏肉などは、食中毒の原因になりやすいため、火が通ったものを食べるようにしましょう。

また、食中毒の原因が特定できないものがほとんどであるため、食材だけに気を取られるのではなく、調理方法や調理環境なども菌やウィルスが繁殖しにくいように注意することが大切です。

 

参照元:厚労省HP「平成28年(2016年)食中毒発生事例

 
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