ウェルシュ菌による食中毒からの危機回避
あまり聞き慣れない「ウェルシュ菌」ですが、日本の食中毒原因ランキングでは堂々の第5位の発生率です。
「給食を食べて食中毒になった」「カレーを食べて食中毒になった」というニュースがあったら、高確率でウェルシュ菌が原因です。
ウェルシュ菌の最大の特徴は、大量に作ったものが冷めた時に繁殖しやすい菌だということです。「カレーは一晩寝かせると美味しくなる」と言われているので、夜に作ったカレーをそのまま常温で放置しておいて翌日食べようとする人が多いのかもしれませんが、常温でカレーを放置するのは絶対に止めてください。
昨夜、5日前に作ったカレーを食べたら食中毒を起こして今朝病院に搬送されました (完)
— 女児 (@inr___) 2017年1月5日
めっっちゃ腹痛いんだけど絶対あのシチューだよ、、はーー食中毒すぎる( ˘ω˘ )
— 雪見カナト@5/4閃華東6よ08b (@ru_kanon) 2016年3月24日
カレーを作って、2日間外に放置したまま毎日食べたら食中毒になった。
#料理の失敗談を語ろう— いお (@io_tk4) 2016年12月27日
ウェルシュ菌について
ウェルシュ菌は、身の回りに多くいる菌で珍しくもありません。人や動物の腸管、土壌、下水、河川、海などいろいろなところに生息しています。
ウェルシュ菌による食中毒発生の時期
ウェルシュ菌による食中毒の発生は春から秋までと比較的長くなっています。夏は気温が高くて料理が冷めづらくてウェルシュ菌にとっていい生息環境なんでしょうね。
潜伏期間
6時間~1日程度と考えられています。
症状
主な症状は腹痛や下痢です。
原因
大量に作ってそのまま数時間から一晩室温に放置した場合にウェルシュ菌が増殖してしまいます。ウェルシュ菌の活性な温度は45℃位で、他の菌より高い温度で増殖できるため、食べ物が冷えていく過程で我先にと増殖していくためです。また、やっかいなことに「芽胞(がほう)」という殻を作ることがあり、これにウェルシュ菌が包まれていると100℃で1時間以上加熱しても死滅しないと言われています。
ですので、この場合「温めれば菌は死ぬから大丈夫」なんてことはなく、菌は生存していますので食中毒になる危険性があるのです。
昨日作ったカレー。常温で放置すると、よく朝そこにはウェルシュ菌まみれのカレーが、、、なんてことがないようにくれぐれも注意しましょう。
対策
加熱調理したものでも当日のうちに食べきる
「加熱調理したものだから、翌日までだったら大丈夫だよね。」という油断から食中毒が発生しますので、長時間放置するのはご法度です。冷蔵保管しないのであれば、全部食べきってしまいましょう。
大量に作ったら小分けして急冷
カレーの様に一度に大量に作るものについては、冷蔵庫保管をしましょう。ただし、保管する際には次のことに気をつけてください。
・熱いまま冷蔵庫に入れないこと。
冷蔵庫内部が温かくなって、他の食材まで傷んでしまうためです。冷蔵庫に入れる際はある程度冷めてから入れるようにしましょう。
・小分けにして急冷
大きな鍋で作ったものは、なかなか冷めにくいため冷蔵庫に入れる時間が長くなってしまいます。その間にウェルシュ菌が増えていってしまいますので、底の浅い容器を幾つか用意して小分けするようにしましょう。そうすることで短時間で冷ますことができます。
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