腸管出血性大腸菌O157とは? 気をつける食品や症状について

2016年4月11日

hukutuu

O157からの危機回避

【食中毒・食あたり】 症状が現れるまでの時間や原因について

食中毒の原因の一つとして大きな話題となる「O157」。どんな症状が現れるのか? どんな食べ物が原因になりやすいのか。O157のことをよく知って食中毒から身を守りましょう。

 
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「O157」について

O157とは?

O157は大腸菌の一種で、正確には「腸管出血性大腸菌O157」という名称です。腸管出血性大腸菌には他にも仲間がおり、O157以外にもO18、O26やO128などがあります。

大腸菌というとなんだか汚いもののように思う人がいるかもしれませんが、人の体の中には数多くの大腸菌が生息しており、身体にとって良い大腸菌(善玉大腸菌)などもいます。善玉大腸菌は便1gの中になんと100万個も生息しています。

しかしO157を含む腸管出血性大腸菌が怖いのはたった100個程度人体に侵入してしまうだけで、すごい勢いで繁殖し、ベロ毒素を排出して腸内の細胞を傷つけてしまうからです。(例えば、食中毒の原因菌であるサルモネラ菌は100万個いないと感染しません)

一方で、熱に弱い菌でもあり、75℃の加熱1分間で死滅してしまうという特性も持っています。

 

O157の感染しやすい人

10歳未満の小児など、抵抗力の低い人の感染が圧倒的に多いです。

 

O157の症状

感染して3~7日後に「腹痛・下痢」の症状が現れます。多くの人は、この段階で回復に向かいますが、一部「激しい下痢や激しい腹痛、血便」などの重い症状に移行し、ひどい場合には「溶血性尿毒症症候群(HUS)」になり(感染患者の3~8%程度)、最悪死亡するケースも有ります。

 

O157の発生しやすい時期

shokutyudoku

初夏から初秋にかけての食中毒が多い

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O157の感染源と対策

農林水産省の調べによると肉牛の9%腸の中にO157を持っているそうです。

また、O157感染者の便の中にも潜んでいます。これは要注意で、O157に感染していても自覚症状が現れない人が実は30~50%程度いるのですが、感染者が触ったトイレまわりやトイレのドアノブなどに付着している可能性があります。O157に感染しているとわかっていれば対策のうちようがありますが、そうでない場合には、知らず知らずのうちに手などに付着している可能性が多いことを意味しています。

O157感染経路は口からになりますので、対策の基本は「手洗い」「消毒」ということになります。

 

感染源 具体例 対策
食べ物

(牛・豚・羊)

生肉、生レバー、 基本は生肉を食べない。加熱したものを食べること
O157感染者 感染者が使用したトイレやお風呂、ドアノブ お風呂の共用を避ける(感染者は浴槽につからず、シャワーで済ませるなど)、バスタオルの共用を避ける。ドアノブ等をアルコール消毒する
乳幼児のオムツ ゴム手袋等をして感染を防ぐ
感染者の衣服 漂白剤につけてから洗濯をする

 

 

ここには気をつけて意外な落とし穴!

下痢止めは逆効果になることも

O157に感染すると下痢の症状が現れることがありますが、その際下痢止めを飲んでしまうとベロ毒素が体外に排出されなくなることがあります。すると、体内に毒素が残ってしまい、場合によっては重篤な症状になることがありますので注意が必要です。

下痢の症状があり、O157感染症と診断された時には、安静、水分の補給及び年齢・症状に応じた消化しやすい食事の摂取をすすめる。激しい腹痛や血便が認 められ、経口摂取がほとんど不可能な場合は輸液を行うが、輸液の際は尿量等に注意し、腎機能障害の発見に努め、過量とならないように留意する。腸管運動抑制性の止痢剤は、腸管内容物の停滞時間を延長し、毒素の吸収を助長する可能性があるので使用しない。

引用元:「厚生労働省」

 

生野菜や浅漬に注意

O157というと生肉による感染が有名ですが、生野菜や浅漬などからの感染も報告されています。2017年8月に女児が重体になった事件では、ポテトサラダが原因でした。

 

生野菜を食べる際にも100℃で5秒ほど湯がくほうが良いかもしれません

野菜の腸管出血性大腸菌を除菌するには、湯がき(100℃の湯で5秒間程度)が有効であるとされています。

引用元:「厚生労働省」

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