昔から地震の前兆として「地震雲が発生する」「犬や猫がせわしなく動き回る」「地鳴りがする」など色々なことが言われていますが、その中に「クジラやイルカが浜に打ち上げられると近々地震が起きるという噂」があります。
そんな噂があるけど、それって本当なのだろうか?ということで過去にクジラやイルカが打ち上げられたことと地震が関係あるのかの検証を行ってみました。
クジラやイルカが浜に打ち上げられる理由
そもそもどうしてクジラやイルカが浜に打ち上げられるのでしょうか。
多いのは浅瀬に入ってしまったことで抜け出せなくなってしまうパターンです。
1. 餌を追っていて浅瀬に入ってしまった
大きな体をしているクジラや大型のイルカの場合、餌を追っているうちに浅瀬に入ってしまって気づいたら打ち上げられてしまったということがあるようです。
大きな体故に、一度浅いところに入ってしまうと海に戻れなくなってしまうのでしょう。
2. 外敵などに襲われてパニックになった
シャチやサメなどに襲われた時にパニックになって、同じく浅瀬に入ってしまって時に結果として打ち上げられるというパターン。
3. 耳に異常がある
クジラやイルカなどは超音波を発して、その反響音を聞いて海中の起伏を感じたり、餌の位置を把握などしたりしていると言われています。
この超音波を聞き取る耳に異常があった場合には、方向感覚が狂ってしまい浅瀬に迷い込んでしまうことがあるのかもしれません。
打ち上げられる頻度はどれくらい?
クジラやイルカが浜辺に打ち上げられてしまう可能性はどれくらいあるのでしょうか?
実は思いのほか多く、「国立科学博物館のストランディングデータベース」によれば、年間200~300頭が浜辺に打ち上げられているようです。
そのほとんどは1頭のみ打ち上げられるもので、大量に打ち上げられるパターンは少ないです。
地震の発生に関係があるのか?
さて、それではそのクジラやイルカたちが大量に打ち上げられた後に、実際に地震が起きたのかを調べてみることにしましょう。今回の条件は以下の様に設定しました。
【条件】
「クジラやイルカが浜に打ち上げられた日から1ヶ月以内に、隣接する都道府県も含めて震度4以上の地震が起きたか」
※震度3を含めると数がかなり多くなってしまい信憑性がなくなるため。(震度3の地震はが1月あたり平均15回発生。47都道府県で割れば、3都道府県内で1月に1回は地震が発生している計算になってしまう)
ニュースになるような大量に打ち上げられた後に、地震が起きているかというと、、、
日付 | 場所 | 地震の有無 |
---|---|---|
2006年2月28日 カズハゴンドウ70頭 | 千葉県長生郡一宮町 | 発生なし |
2011年3月4日 カズハゴンドウ52頭 | 茨城県鹿嶋市 | 2011年3月11日 東日本大震災 |
2015年4月10日 カズハゴンドウ150頭 | 茨城県鉾田市 | 発生なし |
2016年9月14日 ザトウクジラ | 茨城県日立市 | 発生なし |
2016年12月11日 ハナゴンドウ5頭 | 長崎県五島市 | 2017年1月11日 熊本で震度4 |
2017年1月9日 イルカ11頭 | 静岡県御前崎 | 発生なし |
たしかに東日本大震災の前にカズハゴンドウがたくさん打ち上げられていますが、過去に同じようにカズハゴンドウが打ち上げられた時を見てみても地震は起きていません。
また、2016年12月にもハナゴンドウが打ち上げられていますが、「打ち上げられてから1ヶ月経ってからの震度4の地震」ですし、震源地ともだいぶ離れているので関連性は薄そうです。
2016年12月の打ち上げられた場所と震源地
茨城県や千葉県は打ち上げられる回数が多い?
調べてみるとイルカが大量に打ち上げられている場所として茨城県や千葉県が多いような気がします。地形的に打ち上げられやすいのか、地震が頻繁に起きている茨城県だからなのかはまだわかりません。
まとめ
今回調査した結果では、クジラやイルカなどが打ち上げられた後に特別に地震が起きやすいということはないようでした。
クジラやイルカが打ち上げられると、「近々地震が起きるのでは?」と不安になる方はたくさんいます。
しかし、そもそも日本は地震大国です。明日、震度7の地震が起きてもなんら不思議ではありません。過度に不安になるのではなくいつ地震が来ても大丈夫なように、備蓄品を揃えたり避難場所の確認をしておきましょう。
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