通電火災による危機回避
通電火災について
通電火災とは
大規模な地震などに伴う停電が復旧し、通電が再開される際に発生する火災のこと。
停電しているため「電源が切れている」と思ってしまいがちですが、電気が止まっているだけで、実際は電源が点いたままになっています。
その状態で、避難してしまうと停電から復旧した時に、倒れた家具や衣服に熱が伝わってしまい火災になってしまうことがあります。
「避難先から戻ってきたら家が全焼していた」なんてことがないように気をつけてください。
過去の震災における通電火災
過去の震災における通電火災を見てみると、当日発生している数が多いのはもちろんなのですが、長期間にわたって発生していることが見て取れます。停電が長く続いて、復旧した時に起きてしまった可能性が高いと見られています。
阪神・淡路大震災
阪神・淡路大震災では原因が特性された火災231件のうち85剣が通電火災で最も多く、以降通電火災が広く知られるようになりました。
引用元:「経済産業省HP」
東日本大震災
東日本大震災でも通電火災は起きており、かなり時間がたった後でも発生していますので本当に注意が必要です。
引用元:「経済産業省HP」
大震災時におきる火災の原因の半数近くは不明
余談になりますが、震災などでおきる火事の場合、半数近くは原因不明なものを占めます。これは震災で起きる火災は大規模になる事が多く、出火時の様相を特定することが困難なためです。
地震後の対策
1.まずブレーカーを切ること
通電火災の原因は「電気が通っている」ことなので、まずブレーカーを落として電気を遮断すること
2.電気ストーブなど、電気で熱を帯びるものの近くに、燃えるものがないか確認して、ある場合は除去する
地震でものが倒れて散乱してしまった時、熱源の近くに燃えるものがあったら取り除いてください。
3.電気のコードが重い物に押しつぶされていないか確認し、除去する
重いものに押しつぶされて電気コードが内部で断線している場合は、そこを起点として火災が発生する可能性があります。
重いものを取り除いた後も、通電火災が起きないか注意してください。
4.ブレーカーを戻した後、焦げ臭い場所がないか確認する
建物や電気機器に外見上の損傷がなくても、油断はしないでください。壁の中の配線が断線している場合、長時間経過した後に出火する可能性があります。
ブレーカーを戻してからもしばらくは焦げ臭くないか注意してください。
5.家を離れる際は必ずブレーカーを落とすこと
ちょっとそこまででかけるだけだから、、、と油断しないでください。家を離れる際は必ずブレーカーを落としてください。
通電火災予防策
「感震ブレーカー」を設置する
感震ブレーカーは、一定の強さ以上の地震の揺れを感知して、ブレーカーを落としてくれる装置のことです。地震の時に冷静になるのは難しく、ブレーカーを落とすことを忘れてしまうかもしれません。
しかし、感震ブレーカーがあればその心配がなくなります。現在、感震ブレーカーの認知度はほとんどありませんが、今後設置が当然という世の中になっていって欲しいです。