2017年1月5日に日本老年学会から「高齢者と呼ぶ年齢は65歳以上で良いのか」という提案がなされました。今回は、何故そのような提案がなされたのか、その背景と、今後高齢者の年齢が引き上げられることによる課題などについて取り上げてみます。
高齢者とは?
高齢者の定義は様々ありますが、年金受給年齢でいうところの高齢者は65歳になります。
日本に65歳以上の人はどれくらいいるの?
総務省の人口推計(2016年12月時点)を元に作成したグラフを見てもらうとわかるように、65歳以上の人口は約3400万人おり、4人に1人以上が高齢者です。
高齢者は「65歳以上」ではなく「75歳以上」?
昔の65歳と比べて、今の65歳はとても若い方が多いと感じます。20年前の65歳というと、足腰が悪くなってきて、白髪交じりでヨボヨボしていたイメージが確かにありましたが、今の65歳の方は、はつらつとしていますし、街を歩いていても元気な方がたくさんいますので、高齢者と呼ぶのは気が引けるというのも頷けます。
確かに体力年齢は向上している
心身ともに若返っているというのは、決してイメージだけの話ではありません。
実際、文部科学省の「体力・運動能力調査」によれば、60~64歳の方で、「実年齢よりも体力年齢が若い人」は平成17年では、男女ともに38%であったのに対し、平成27年では男性は48%、女性は56%にまで増加していて、実際に体力年齢が若くなっている人が多くなっていることがわかりました。
高齢者は75歳以上
日本老年学会が今回出した提案は、現状に即した年齢の人を高齢者と呼ぼうというものです。
65歳~74歳 :准高齢者
75歳~89歳 :高齢者
90歳以上 :超高齢者
高齢者になるのは75歳以上となり、これまでの65歳以上の人は准高齢者だということです。それでも総務省の人口推計によれば75歳~89歳の人は1500万人いますので、10人に一人は高齢者なんですよね。今の日本って。
しかも90歳以上の超高齢者は200万人以上もいるんですよ。ほんと昔に比べたら長寿が多くなりましたよね。
余談ですが、「超高齢者」って、なんだか強そうな響きがありますよね。
将来的に年金支給が75歳以上に?
現代の65歳はまだまだ活力があって元気! とても良いことだと思います。ただ、今後高齢者が増えていく中で、等しく65歳以上の人に年金を分け与えていたのでは、財政が苦しくなってくるという意見が非常に多くなってきます。
そうなってくると、まだまだ元気な65歳はもう少し会社で働いてもらって、もっと高齢の人たちの年金を支えてもらおうという議論がされることは想像に難くありません。
昭和36年生まれ以降は年金支給が65歳から
現在は段階的に年金支給年齢が増えていく移行期間中にあり、平成37年になると支給開始年齢が65歳以上になります。具体的には昭和36年4月2日以降に生まれた人は支給開始年齢が65歳です。
以前は定年が60歳でしたが、最近はシニア雇用を広げようということで65歳まで働ける会社が増えてきています。そこに加えて、70歳まで定年年齢を引き上げようという動きもありますので、年金支給開始年齢も70歳、75歳と引き上げられる可能性は十分に考えられます。
「60歳まで働けばあとはなんとか年金生活で、、、」なんていうのは昔の話です。
若いうちからしっかり貯蓄をしたり、投資をすることが本当に大事な時代に今後なっていくでしょう。
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