「断層型の地震雲を見た」という情報について

2016年10月23日

最近「断層型の地震雲が発生している」という不安の声がネット上に多く散見されるようになりました。断層型の地震雲とはどんなものなのか? そして、この情報が広まった経緯についてまとめました。

 
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ネット上の不安の声

 

情報が広がった経緯について

断層型地震雲とは?

断層型地震雲と呼ばれる雲は、「雲と空の境界」がはっきりしている状態のものです

地震のタイプは「活断層型」と「海溝型」に分けられ、熊本地震は活断層型、東日本大震災は海溝型地震になります。

※地震発生のメカニズムと強い地震が起きやすい地域について

この活断層型の地震と、線上に走っている断層を結びつけて考えられているのが断層型地震雲になります。

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2016年の鳥取地震以降、断層型地震を見たとの報告が増える

これまでも「地震雲を見た」という報告は多かったのですが、それが「断層型の地震雲」を見たという話になったのは2016年頃からです

2016年には大きな地震が2つ起きました。一つが4月に起きた震度7の熊本地震、そしてもう一つが10月に起きた震度6弱の鳥取地震です。そして、二つとも断層型地震でした。

一つ目の熊本地震によって、人々の関心がかなり高まっていた状態で起きた鳥取地震。そして、その鳥取地震が起きる数日前に「鳥取地震が起きる前に断層型地震雲が、兵庫県で観測されたらしい」という情報が拡散しました。それ以降「断層型地震雲が見られた後には、断層型地震が起きるのでは?」と結びつける人が多くなり、広く認知されていったようです。

 

しかし、地震調査研究推進本部によれば、鳥取地震は鳥取中部の長さ20km程度の断層がズレたことによる地震です。断層型地震雲が目撃された兵庫県までは直線距離で80kmもあります。そんな遠くで目撃された雲が果たして地震と関係あるのでしょうか。

 

断層型地震雲の目撃例とその後の結果

では、実際断層型地震雲の目撃に対して、その後地震は発生したのかどうか。気になるところだと思います。これについては、別途検証しましたので、気になる人は読んでみてください。

※【検証】断層型地震雲が目撃された後に、地震は起きているのか? を4例調べてみた。

結論から言えば、「なくはない」でしょうか。ただ、これはデータが少ないため、今後データを集めて検証したいと思います。

 

また、「過去に断層型地震雲と呼ばれるものを見ても地震が発生しなかった」という声も載せておきますので、過度に不安にならないようにしましょう。

 

まとめ

「断層型地震雲が発生している」という不安の声は、鳥取地震以降増えているようです。過去の断層型地震雲の目撃例に対しても、そのほとんどがその後時地震は起きていませんでした。ただ、中には関連性がありそうな例もありましたので、今後継続してデータを蓄積していきたいと思います。

そもそも日本は「いつ地震が来てもおかしくない国」ですので、「地震が近々起きるのではないか?」と怯えるのではなくしっかり準備や対策を取ることが最も大切です。

 

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