【本当?嘘?】地震雲が発生した報告7例のその後を調査してみた

2016年5月14日

地震からの危機回避

「地震雲の発生」と「地震発生」との関連性について、気象庁などは「科学的根拠に基いて関連づけることは難しい」としています。

それでも、昔から地震雲の発生は地震の予兆と言われています。

実際のところ、地震雲の発生と地震の発生はどの程度関連しているのでしょうか?

地震雲の発生報告とその後の地震発生の有無について検証してみました。

 
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2015年の震度3以上の発生数と発生箇所

まず「気象庁HP」のデータを用い、1年間にどの程度の地震がどんな場所で起きたのかを見てみます。

 

震度3以上の地震の発生箇所

今回調べたのは2015年1月~6月の地震ですが、さすが地震大国日本と言われるだけあって、ほぼ全域にわたって地震が発生しています。

海溝型(プレート型)の地震が多いのでしょうか、太平洋側で特に地震が発生しています。(ちなみに地図の○の色は震源の深さを示しています。震度の大小ではありません)

2015-01-06

 

2015年1月~2016年3月までの地震の発生回数と規模

2015年1年間に加えて、熊本地震の直前の2016年3月までの地震の発生を調べてみたところ、震度3以上の地震は239回発生していました。

1月あたり12回です。多すぎやしませんか、日本…。

震度3 :184回
震度4 :43回
震度5弱:7回
震度5強:5回

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地震雲の発生と地震発生の検証

さて、それでは本題の地震雲の発生と地震の発生には関係があるのか? について検証していきます。

【検証方法】
地震雲が見られた後、1ヶ月以内に震度3以上の地震が起きたのか?

地震雲の発生と地震が関係するのであれば、少なくとも1ヶ月以内には起きていて欲しいものです。

「半年前に私が見た地震雲が、地震と関係あったのでは?」と思う人がいるかも知れませんが、上でも書いているように震度3程度の地震はしょっちゅう起きているので、関連があるとはいえません。

 

検証1 2015年3月30日(東京都)-竜巻型?

東京で見られた竜巻型? の地震雲です。珍しいタイプですね。しかし、地震は起きていません。

【結果】
震度4以上:0件
震度3  :0件
(8日後に千葉県で震度3)
(17日後に茨城県で震度3)

検証2 2015年5月19日(兵庫県)-太い筋状

こちらはよく見られる太い筋状の地震雲です。こちらも発生はなし。

【結果】
震度4以上:0件
震度3  :0件

検証3 2015年10月29日(香川県)-太い筋状

同じく太い筋状の地震雲です。地震の発生はありません。

【結果】
震度4以上:0件
震度3  :0件
(15日後に和歌山県で震度3)

 

検証4 2015年12月5日(福島県)-肋骨型

こちらもよく見られる肋骨型の地震雲です。肋骨の形が地震の揺れの波打つ感じを表しているように見えるからでしょうか。不安になる人が多い雲の一つです。

【結果】
震度4以上:0件
(50日後に福島県沖で震度4)
震度3  :0件
(16日後に岩手県で震度3)

 

検証5 2016年9月27日(東京都)

【結果】
震度4以上:0件
震度3  :0件

 

検証6 2017年1月31日(福岡県)-断層型

こちらは珍しい断層型の地震雲です。

【結果】
震度4以上:0件
震度3  :0件

検証7 2017年11月26日(東京都)- 肋骨型


【結果】
震度4以上:0件
震度3  :0件

まとめ

地震が目撃された同一都道府県内で1ヶ月以内に地震が発生した件数 0件

今回よく見られる地震雲のタイプ「肋骨型」「太い筋状」「竜巻型」「断層型」を見てみましたが、どのタイプの地震雲も地震の発生とは関係があるとは言えませんでした

普段見慣れない形の雲を見ると「近々地震が来るのでは?」と不安になるかもしれませんが、過去の例を見てみても地震が来ないことのほうが圧倒的に多いのです。

過度に不安になるのではなく、「いつ地震が来ても大丈夫」という備えをしておくことのほうがよっぽど大事だと思います。

その他、地震雲の形別に地震が起きたのかを検証していますので、気になる人は下の記事を参考にしてください。

 

地震が来る前に知っておきたい・用意しておきたいこと

絶対忘れないで!地震が起きたらすべきこと12選!

「これを持っていた人がうらやましかった」 経験者が語る震災の時に本当に欲しかった備蓄品リスト

【地震の前兆って本当?】形でわかる地震雲の種類一覧

 
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