阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など記憶に近いところだけでも大きな地震が日本を襲い、多くの家屋が全壊や大規模半壊などの被害にあいました。
復旧するにあたっての第一歩として「家屋の解体」が必要になってきますが、これがなかなか時間がかかります。一体どれくらい費用と時間がかかるのかを知っておきましょう。
公費解体とは
震災などによって家屋が全壊等になった場合には、廃棄物処理法により「公費解体」を申し込むことができます。
また、震災で家屋に被害があった場合には必ず「罹災証明書」を受けてください。
※被災したら絶対提出して!「罹災証明書」と受けられる公的支援まとめ
公費解体にかかる費用と時間
公費解体の費用
家屋解体費[円/m2] | 家屋解体運搬費[円/m2] | 基礎解体費[円/m2] | 基礎運搬費[円/m2] | ||
---|---|---|---|---|---|
木造家屋 | 7862 | 往復10km 1283 往復20km 2390 | 1035 | 往復10km 632 往復20km 1178 | |
鉄骨製建物 | 6813 | 往復10km 3924 往復20km 7309 | 1035 | 往復10km 943 往復20km 1757 | |
鉄筋コンクリート製建物 | 12247 | 往復10km 2220 往復20km 4138 | 2970 | 往復10km 943 往復20km 1757 |
概算になりますが、100m2であれば、100~150万円という金額になります。
熊本地震の場合
熊本県発表によると熊本地震による被害で損壊した家屋を公費によって解体する予定のものは約35000棟あるそうです。震災から半年の時点では解体されたのは約15%程度でしたが、そこからは順調に解体が進み1年半後の2017年10月の時点では90%が終了しました。
2018年3月を目標として掲げていますので、2年間の歳月を必要とするようです。
参照元:「熊本県HP」
自費解体でも償還申請ができる場合がある
ただ、中には公費解体を待っていたのでは時間がかかりすぎてしまうという人もいるでしょう。
そうなると残された手段は「自費解体」です。
自費解体した場合でも領収書の提出等の手続きを行えば、償還申請を行うことができる場合もあるようですので、検討されている場合は事前に地方自治体に確認をとりましょう。
公費解体が遅れる理由
過去何度も大きな地震に見舞われている日本。その復旧の早さに世界各国が驚いていますが、なかなか時間がかかっている部分もあります。その一つが解体です。
熊本地震・・・公費解体が進まないという。
— いなか楽人(自宅療養中) (@inakarakuhito) 2016年7月17日
4/16被災する
4/19罹災証明調査依頼
4/下旬危険判定黄色
4/末地震保険全壊判定
6/7罹災1次一部損壊
6/21自費解体締切
6/30罹災2次大規模半壊
7/初旬公費解体申込
9/8解体説明来年の夏までには解体?
二次災害の危険があるのに遅いよ!#熊本地震 #熊本市— ぽいぽい (@twicaspoipoi) 2016年9月9日
熊本市の半壊以上の建物の公費解体、進んでないようだのう。実家の近所(東区)の場合だと、申請するための予約をした上で申請できるようになるのが年明け以降という話。解体完了まで年単位かあ。
— 常水商会::ついった (@kiyotune) 2016年9月1日
解体申請は申込順ではなく危険度順
解体が行われる順番は申し込み順ではなく、その家屋が倒壊することで周囲に危険が及ぶような場所から解体が進んでいきます。
これは、もし申し込み順で行っていった場合、倒壊の危険性のある家屋を放置してしまうことになり、2次被害が起きてしまうためです。
思い出の品をとっておきたい
解体を進めていく上で、持ち主にとって大切な品物が出てくるとそこで中断することになります。家の中にあるものほとんどが大切なものだと思いますので、一般的な解体作業とは違って一歩ずつ、少しずつ解体作業が進んでいきます。
熊本地震で壊れた家の解体作業が なかなか進まない。と。
貴重品や思い出の品のようなものが出てくると、いちいち作業を中断して持ち主に確認。
だから時間がかかると。その日 1日で出たものをまとめて確認してもらえばいいのではないのか?
— わたママ・NO WAR (@wtrmama) 2016年10月14日
解体業者も手一杯
地震から4ヶ月経って余震は減ってきたけどけど、我が業界は(建設業)は家屋の公費解体でてんてこまいです。2年間を目処にやってるみたいだけど、終わるんだろうか?大きなビル関係も本格的な復旧に向けて防音シートや足場のかかった所が沢山。全国的には風化されてるけど復興は始まったばかりです。
— yayoi (@miuyayoi) 2016年8月17日
解体が進まないと気持ちの面で立ち直りが遅い
倒壊した家屋がずっとそのままになっていると、復興しているという気持ちにはなかなかなれないという声が多くありました。解体作業は辛いものがありますが、解体しなければ前にも進めない。本当に大変な作業です。
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