震度7に耐えられるわけじゃない!?「鉄筋マンションは地震に強い」を信じて大丈夫?

2018年5月26日

「鉄筋コンクリートのマンション」と「木造住宅」どっちが地震に強いでしょうか?

多くの人は「鉄筋コンクリートのマンションの方が地震に強そうだ」と答えます。

しかし、そうとも限らない場合も実は多いのです。今回は、必ずしも鉄筋マンションが地震に強いわけじゃないということを紹介していきます。

 
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マンションは耐震強度をギリギリに設計できる

現在の法律では「大きな建物は、どれくらい地震に強いのか?」を、ちゃんと計算(構造計算)しなさいよと義務付けています。

大きな建物とはいっても、一般的な住宅(木造の1階建て、2階建て)以外のことなので、結構な数の建物が当てはまります。マンションも義務付けられた建物の一つです。

「構造計算されているから地震に強い」は間違い

「地震に対する計算がされているなら地震に強いんじゃないの?」
「なんとなく大丈夫じゃない」
そう思っていたのであれば、注意が必要です。

建物は法律で決められた基準を上回るように設計しなければいけないので、一定の強さはもちろんあります。

しかし、気をつけなければいけないのは「マンションの構造は木造住宅と比べると計算がしやすい」ため、建築費を安くするために建築基準法ギリギリの設計をしている可能性があるということです。

耐震基準は「震度6強〜7程度を耐えられる」こと

建築基準法は「生きた法律」といわれています。それは、これまでの多くの地震の経験を生かしてどんどん新しく更新しているからです。

しかしその生きた法律の建築基準法でさえ、「耐震基準は震度6強〜7程度に耐えられるように作りなさい」としているだけです。

マンションの安全設計がギリギリで計算されていたらアウト!

つまり、計算が簡単なマンションは「耐震基準ギリギリの震度6強を耐えられる設計」にすることも可能だということです。

そんなマンションに震度7の地震が襲ってきたらどうなるでしょう? 地震に耐えられると思っていたのに、大きな被害を受けてしまうかもしれないのです。

震度7は上限がない

そして、注意しておきたいのが最も揺れが大きい震度が震度7だということです。震度8や震度9なんてものは存在しません。

仮に東日本大震災の2倍の被害が出る地震が起きたとしてもそれは震度7なのです。

今後必ず来ると言われている南海トラフ地震や北海道沖の地震など、超巨大地震と呼ばれるものに対して震度6強の設計で大丈夫なのか? ということをもう一度考えてみましょう。

木造住宅は計算が難しい

一方の木造住宅はマンションと比べると計算が難しいため、基準値ギリギリの設計をすることができません。

そんなことをしたら、法律違反になってしまうかもしれないからです。建築会社や建築士にとっては命取りです。

ですので、木造住宅の場合は安全に対して余裕をもった設計にする必要がどうしても生じてしまいます。

基準値ギリギリに設計されたマンションと、基準値より余裕をみた木造住宅だったら、地震に強いのは木造住宅です。

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10階建て、15階建て、20階建てのマンションは注意!

安全性をみる構造計算はギリギリを狙えると書きましたが、他にもギリギリを狙えるものがあります。

それが、マンションの高さです。

マンションは高くなるにつれて厳しい基準が設けらますが、節目となるのが31m、45m、60mです

これらを階数に直すと大体10階、15階、20階建てになります。

例えば、10階建ての建物を建てようとした時に31mを超えると厳しい基準をクリアしなければならないため、設計を30.9mなどのようにギリギリを狙うことが考えられます。

そういったところでギリギリを狙う会社はコスト削減のために、構造計算などもギリギリで設計している可能性がありますので注意が必要です。

 

耐震基準が満たされていなかったらどうすればいい?

住んでいるマンションの耐震基準が満たされていなかった場合の対処方法ですが、

新築マンションの場合は、10年間は瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)という責任が売った人に生じます。

弁護士の力が必要になりますが、修繕費用や賠償金などを請求できます。

中古マンションの場合は、2年間になります。

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