東日本大震災では多くの方が津波にのまれて亡くなりました。阪神淡路大震災では火災により多くの方がなくなっています。
しかし、死者以上に多いのが「けが人」です。気をつけておきたいことは日常生活であれば問題のないケガが命に関わるかもしれないということです。
普段私達がケガをした場合は、軽症なら薬局で消毒薬や絆創膏を買って対処しますよね。少し大きなケガをした場合でも、病院に行けば手当をしてもらえますし、大きなケガをしたとしても救急車を呼べば病院に運ばれて迅速な治療や手厚い看護を受けることができます。
けれども大地震となると、応急薬が手に入らない。救急車を呼んでもこないということが起こります。そうなると自分の身を守るのは自分だけということになります。
大地震が起きた時に特に注意したいケガと対処方法について知っておきましょう。
1. 頭を守る
小さい頃から避難訓練などで、ヘルメットをかぶったりしたことがあると思います。
頭は生命活動を維持するためにはもっとも大事な部位です。頭にケガをしてしまうと、一気に生命の危機にさらされてしまいます。
大地震が起きたときには「ヘルメットをかぶる」「布団をかぶる」「買い物かごをかぶる」など、身近にあるもので頭部をしっかり守りましょう。
2. 切り傷に気をつけよう
失血死に注意
切り傷に気をつけたい理由は失血による生命の危機です。小さな切り傷であれば、すぐに止血できますが、大地震では大きな切り傷を負う可能性が高くなります。止血ができないままでいると失血死してしまいます。
体重の3〜4%の血液が失われると、生命の危機があるといわれています。
(60kgの人で2リットル程度)
切り傷の原因
切り傷の原因として最も可能性が高いのは「割れたガラスの破片」です。大地震が起きるといとも簡単にガラスが割れて床や道路に散乱します。触れればすぐに切り傷になってしまいますので、特に注意が必要です。
・窓ガラス
・照明器具
・食器
また、家屋が倒壊したときなどは、木のササクレが大量に発生します。倒壊した家屋の近くを歩く場合は注意しましょう。
切り傷を避けるためには
室内であれば少なくともスリッパは履いてください。外を歩くのであれば、なるべくまず底の厚い靴を履くようにしてください。
屋外で地震にあった時には、周囲に建物があるのであればそこから離れましょう。高層ビルから割れたガラスが降ってくる可能性がとても高いからです。
窒息に注意
窒息というと、津波にあって息ができなかったり、火災の煙にやられてしまったりというイメージを持たれると思います。しかし、それ以外に注意したいのが「胸を圧迫されたことによる窒息」です。
これは、タンスや食器棚が倒れてきた時に起きやすい状況です。家具が倒れてきて、胸を圧迫されてしまうと呼吸困難になってしまいます。そのままだと20分程度で生命に危機が訪れると言われていますので、家具の倒壊には十分注意してください。
胸を圧迫されている人は声を出せない
覚えておきたいこととして、胸を圧迫されて呼吸困難になっている人は声を出して助けを呼ぶことができないということです。
私もある時、転んで胸を打ち付けた時に呼吸困難になったことがありますが、息が吐かれ続けるだけで吸うことができず、声をだすこともできず「このままだと死ぬのでは?」と思ったことがあります。
大地震の後に家具が倒れた際に、周りに下敷きになっている人がいないか? ということにはくれぐれも注意したいところです。
そして、もし声を出せない状況なら時は一刻を争います。すぐに周りの人に助けを求めて、救出してあげてください。
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